2000年 有田を訪れたことをきっかけにOLを辞め、本格的に作陶の世界へ。
佐藤走波氏のもとで修行。
2006年 淡路島で築窯、独立。
このキクの豆鉢ができるまでの、
さちよさんの型打ち、お見せしまーす。
型打ちというのは、ベースとなる土台(型)を作って、ろくろでひいた素地を押しつけて器を作る技法のこと。型のできあがりが何よりも大切です。さちよさんは、自然の草花の陰影を、この型打ちで表現するために精進しておられます!
まずは型づくり。
1)型の元をろくろで成形します。
2)元を乾かして、デザインを下描き。
3)下描きに沿って削っていきます。当たり前のことですが、削った部分が、豆皿の柄の凸部分になります。
一度型ができると、何枚も同じ豆皿を作る体制が整います。ただ、型も使う度に摩耗していきますので、永遠に使えるわけではありません。特にさちよさんの型は細かい模様が多く、それだけに摩耗しやすくなります。
で、豆鉢になる部分、素地をつくります。
4)粘土をろくろで成形。一度に何個もつくります。完全に乾ききらないうちに、型打ちの工程に。
素地を型に押しつけて模様を浮き出させる、「型打ち」です。
5)できあがった型。じゃーん。
6)半乾きの素地をかぶせます。
7)型の模様がくっきりつくように、手回しろくろの上で素地を布で抑えて、回しながらまんべんなくバンバン叩きます。「きっと右手の方が分厚いはず(笑)」とのことでした。在廊中に、直接ご本人にお確かめください。
8)押さえ終わると、布を外します。よく見ると布の素地目もついてます。そして押さえた圧力ではみ出た粘土も。
9)で、裏返して、型をつまんで…
10)かぱっと外すとこんな感じ。右が型で、左が豆皿です。
この外す瞬間の「かぱっ」という感じが、見ているととても心地よいです。
11)で、お皿の裏側や高台を削って仕上げていきます。このあと、釉薬を着ける前に素焼きの手順へ進むというわけです。
12)さちよさんの削り道具。
13)工房を見回すと、こんな型も。ここから生まれた豆皿、展覧会でご覧くださいね〜。