私が李朝家具にはまったのは京都の川口美術でバンダジを買わせていただいてからです。
昔から家庭画報などで特集されており、高級な家には必ず李朝家具があり、お金持ちの象徴、そんなイメージでした。ですからあえて興味もなく、意地を張って知らない振りをしていたところもありました。
日本でバンダジと言えば川口美術。オーナーにたくさんお話を伺い、すっかり虜になりました。
こちら京都の李朝喫茶の『李青』さんです。
京都の高麗美術館の創立者のお嬢様でいらっしゃいます。京都に行く度に、李朝の教えを請いにお邪魔しております。
李青さんは高麗美術館とは別に独自で李朝の美術品をお集めになりました。
私が収集を急いでいることがバレてしまい、マダムがおっしゃいました。「あなた、まだ若いのだから急ぐ必要はないのよ。私も30年かけてやっとこれだけ集めたのよ。骨董はご縁だからあるべきところに集まります。だから急がないで」。
嬉しいお言葉、涙が出ました。
こちらの白磁の壺はなんとも味わい深く、存在感があります。
このように手の良い家具はもう手に入らないのではないでしょうか?今はひたすら見て、見て、目を肥やしたいです。
『げんこつ』。大好きな形です。
螺鈿細工も150年前は垢抜けていました。どうして明治以降、ごちゃごちゃしてしまったのでしょうか。
こちら高麗美術館です。京都の閑静な住宅地にあります。
この石像は王様のお墓を守っていました。漫画のような愛くるしい表情。ユーモアを感じさせるこのようなデフォルメは、とてもお勉強になります。
きゃ〜、かわいい。
『李青』では、喫茶と軽いお食事ができます。ケーキも美味しいですが、冷麺も絶品でした。おすすめです。
先日新しいバンダジが神楽坂の『帝』に仲間入りしました。二つとも150年以上は経っていると思われます。
既製品が増えた明治時代のモノとは雰囲気がまるっきり違います。
日本では、松材で家具を作るというのは考えられませんが、李朝家具は松材が多く、そのソリやキズがまた味となり、私たちを虜にします。
こちら、近畿道のバンダジです。
北朝鮮に近い地域で作られました。器を飾っても、中に収納しても、ただそのままでも素敵です。
近畿道のバンダジの金具。ご覧ください、彫刻が蜂の巣のようになっているのが特長です。
こちらの家具は明治になってからのちょっとセレブな家具です。李朝家具としてはあまり人気がないのですが、この時代に流行った彫刻や朱色の漆は、使いようによっては素敵に変身してくれると思います。
北海道の粋人館の母屋でワイングラスを入れたり、お皿を入れたり、お客様に見えるように置いてみようと思います。