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工藤和彦さんとの出会い
essay
09

北海道にこんなに素晴らしい陶芸家さんがいるとは、本当にびっくりしました。そして早速会いにいってきました。

工房におジャマして、まず目にしたのが、二億年前の黄砂の地層から掘り出した粘土です。これを干して、練って、器を作ります。

この方が、工藤和彦さんです。神奈川県出身で、信楽で修行をし、20年前に北海道に越してきました。

今では日本中の名だたるギャラリーで個展をされています。粉引と、黄色い粉引が有名です。

右上の作品は、北海道原住民のアイヌの神話からインスピレーションを受けたものです。

工藤さんの粉引は、その名も『白樺ホワイト』。器の底が赤いのは、帆立の貝殻を挽いて焼いているからです。

黄粉引の壷、李朝を意識しています。

1月に、兵庫県・加古川市で個展があるということで、窯から出たばかりの作品が並んでいました。手前の片口も彼の得意な作品です。栗原はるみさんもこの片口が大好きのようです。

工藤さんの器は力強さの中に優しさがあり、使い勝手も抜群です。

一回り小さいポットをお願いしてきました。

器を買ったその日に、早速お料理を盛りつけてみました。

北海道産の松葉蟹に地元では毛蟹に押されてあまり大切にされていません。私はこの蟹が一番好きです。冬になると京都高台寺の和久傳さんの蟹が食べたくなります。今年は行けるかな…。

これは海のドンコという魚です。身が締まっていて、あんこうのようにコラーゲンがたっぷりです。ちょっと盛りすぎて、器が見えません。このお皿も、白樺ホワイトです。

次の日、お昼にメンチカツを作りました。肉久しいお料理にはぴったりの器です。

夜は、慎太郎特製のお好み焼きを盛ってみました。工藤和彦さんご家族も一緒に食べてくださいました。美しい奥さまと綺麗なお嬢さま、なんとも素敵なご家族でした。

工藤和彦さんの黄粉引7寸リム皿、神楽坂の『帝 -MIKADO-』で好評発売中です。

来年は、神楽坂『帝 -MIKADO-』で工藤和彦展ができるといいな…。